発電機マメ知識
TRIVIA
2020.12.02
大型発電機の「車上渡し」「置き場渡し」とは?撤去・積み込みの作業範囲を解説
- 発電機の設置・撤去工事
- 売買のトラブル

大型発電機や非常用発電機の売却・撤去について打ち合わせをしていると、
「車上渡し」
「置き場渡し」
という言葉が使われることがあります。
重量物を取り扱う業者同士では一般的に使われる言葉ですが、初めて大型発電機の撤去や売却を担当される方にとっては、分かりにくい表現かもしれません。
しかし、
「何となく意味は分かるから」と聞き流してしまうのはおすすめできません。
車上渡しと置き場渡しでは、発電機の撤去、搬出、クレーン等による積み込みを誰が担当し、その費用を誰が負担するのかが大きく変わります。
認識が違ったまま契約段階を迎えると、
「発電機は誰が撤去するのか」
「クレーンは誰が手配するのか」
「トラックへの積み込みは誰が行うのか」
といった費用が大きく変動する問題が発生する可能性があります。
この記事では、大型発電機の取引で使われる「車上渡し」「置き場渡し」について、実際の作業範囲を交えて解説します。
大型発電機の「車上渡し」とは

当社では車上渡しについて、
「お客様のご負担・ご手配で発電機を撤去・搬出し、当社が手配するトラックの荷台へ積み込んでいただくところまで」
と明確にしてご案内しています。
つまり当社側は、基本的に引き取りに必要な運搬車両を手配します。
発電機を設備から切り離す作業、建物からの搬出、クレーン等を使用したトラックへの積み込みについては、お客様側の作業範囲となります。
大型発電機は重量物です。
トラックが現地へ到着しただけでは発電機を積み込むことはできません。
発電機の重量や設置環境によって、クレーン車やフォークリフト、重量工事などの手配が必要になることがあります。
そのため車上渡しの場合には、
「トラックを誰が手配するか」だけでなく、「トラックの荷台に載せるところまで誰が担当するのか」
を確認しておくことが重要です。
大型発電機の「置き場渡し」とは

当社では置き場渡しについて、
「発電機の撤去から搬出、当社手配トラックへの積み込みまでを当社側で行う方法」
としてご案内しています。
この場合、お客様には発電機が設置された状態でお引き渡しいただき、撤去工事に必要となる重量工事、クレーン、搬出、積み込みなどを当社側で計画します。
ただし、
「置き場渡し=発電機に関係するすべての作業を相手側へ任せられる」
という意味ではありません。
ここが非常に重要です。
置き場渡しでも商用ケーブルの離線は事前に確認する
当社が置き場渡しで大型発電機を撤去する場合でも、商用ケーブルの離線については、原則として撤去工事前までにお客様側でご手配いただくようお願いしています。
大型の非常用発電機は建物の電気設備と接続されています。
そのため当社では、建物側設備との責任範囲を明確にし、予期せぬトラブルを防ぐため、商用ケーブルの離線を建物側の電気設備を管理・施工される方に対応していただく考え方を取っています。
つまり置き場渡しであっても、
発電機本体の撤去工事と、建物側電気設備に関係する工事は切り分けて考える必要があります。
どこまでが撤去業者の作業なのか。
どこからが施設側・元請会社・電気工事会社などの作業なのか。
撤去工事を行う前に明確にしておくことが重要です。
発電機売買(売却・買取)の車上渡しと置き場渡しの比較表

表の注釈
〇がついている項目が役割として費用と手配を負担します。
置き場渡しは売り手側の搬出工事の手間なく売却が可能です。
「車上渡し」「置き場渡し」という言葉だけで判断しない
車上渡しと置き場渡しについて最も注意したいのは、
専門用語だけで作業範囲を判断しないことです。
業界では一般的に使われる言葉でも、会社や取引条件によって細かな範囲の認識が異なる可能性があります。
そのため、
「車上渡しだから、ここまでは相手がやってくれるだろう」
「置き場渡しだから、全部任せられるだろう」
と推測して進めるのではなく、実際の作業内容を確認することが重要です。
確認したいのは、例えば次のような内容です。
発電機と設備の切り離しは誰が行うのか
商用ケーブルの離線は誰が行うのか
燃料配管や排気設備などの切り離しは誰が行うのか
建物からの搬出は誰が行うのか
クレーンやフォークリフトは誰が手配するのか
トラックは誰が手配するのか
トラックへの積み込みは誰が行うのか
撤去した付帯設備をどこまで引き取るのか
こうした内容を一つずつ確認しておけば、専門用語の解釈に頼る必要がありません。
作業範囲はメールや書面で残しておく

大型発電機の撤去では、複数の会社が関係することがあります。
お客様、元請会社、電気工事会社、重量工事会社、クレーン会社、運送会社、発電機の引取会社など、それぞれに役割があります。
そのため口頭で、
「車上渡しでお願いします」
「置き場渡しでお願いします」
と決めただけでは、十分とはいえません。
当社ではメールやテキストで回答する場合にも、
車上渡し(お客様負担で当社手配トラックの荷台への積み込みまで)
置き場渡し(発電機の撤去から当社手配トラックへの積み込みまで当社対応)
と、意味を併記するようにしています。
また、置き場渡しの場合でも商用ケーブルの離線など、お客様側で事前に対応していただく作業があれば、それについても明記します。
専門用語を知っているかどうかより、
「誰が・何を・どこまで行うのか」を双方が同じように理解していることの方が重要です。
車上渡しと置き場渡しでは撤去費用の考え方も変わる

作業範囲が違えば、当然、費用の考え方も変わります。
車上渡しの場合、お客様側で撤去・搬出・積み込みまで行うため、その工事費用はお客様側で発生します。
置き場渡しの場合は、引き取り側が撤去・搬出・積み込みに必要となる工事を計画するため、その費用を含めて取引条件を検討することになります。
ここで重要なのは、
買取価格だけを比較しないことです。
例えば買取価格が高くても、お客様側で高額な撤去・搬出費用を負担する条件であれば、最終的な収支は変わります。
反対に、買取価格だけを見ると低く感じても、撤去・搬出まで含まれていれば、所有者側の総負担が少なくなる場合があります。
大型発電機の売却では、
買取価格 − お客様が負担する撤去・搬出等の費用
まで考えて条件を比較することが大切です。
大型発電機は「最終的にトラックへ載る状態」から逆算する

大型発電機では、車上渡し・置き場渡しのどちらを選択する場合でも、最終的に運搬車両へ安全に積載できなければ引き取りは成立しません。
特に建物内部に設置された大型発電機では、
搬出口より発電機が大きい
付帯設備を取り外さなければ搬出できない
分解後の寸法によって運搬車両が変わる
吊り上げるための場所や方法を検討する必要がある
といったケースがあります。
そのため、単に「撤去してください」と依頼するのではなく、
最終的にどの状態でトラックへ積み込むのかを決め、そこから逆算して作業所掌を決める
ことが重要です。
実際に作業所掌を分けて大型発電機を引き取った事例

当社では、秋田県の公共施設で撤去される大型非常用発電機について、依頼者様と作業所掌を分けて引き取りを行った事例があります。
この案件では、撤去工事そのものは依頼者様側で実施。
当社は現地調査を行ったうえで、発電機の構造、解体する部分、残す部分、切断位置、吊り上げ方法、分解後の荷姿、運搬車両などを依頼者様と事前に整理しました。
その内容を写真入りの資料として共有し、指定日時に当社手配の運搬車両で引き取りを行っています。
これは車上渡し・置き場渡しという言葉以上に、
「誰がどこまで行えば、最終的な引き取りが成立するのか」
を事前に共有することの重要性が分かる事例です。
関連記事 大型発電機の撤去・搬出・引き取り|秋田県での大型非常用発電機対応事例

車上渡し・置き場渡しは作業範囲まで確認しましょう
「車上渡し」「置き場渡し」は、重量物や大型設備の取引では珍しい言葉ではありません。
しかし、大切なのは言葉そのものを覚えることではありません。
発電機の撤去
建物からの搬出
商用ケーブル等の離線
クレーン・重量工事
トラックの手配
トラックへの積み込み
について、
誰が手配し、誰が費用を負担し、どこまで作業するのか。
これを契約や工事の前に確認することが、トラブルを防ぐ一番確実な方法です。
大型発電機の撤去や売却について見積もりを比較する際にも、金額だけではなく、その金額に「どこまでの作業が含まれているのか」まで確認することをおすすめします。
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