発電機マメ知識
TRIVIA
2022.08.24
大型発電機の撤去費用を抑えるには?スクラップ処分とリユースを比較
- 売買のトラブル
- 発電機の設置・撤去工事
- 中古発電機のマーケット

老朽化した大型発電機や非常用発電機の更新、建物の解体、設備廃止などに伴い、不要となった発電機を撤去しなければならないことがあります。
このとき、
「スクラップとして処分するべきか」
「中古発電機として売却できるのか」
「撤去にはどのくらい費用がかかるのか」
「燃料やオイルは抜いておく必要があるのか」
など、撤去後の取り扱いに悩まれる担当者様も少なくありません。
設置型の大型発電機は、不要になったからといって、そのまま処分場や買取会社へ持ち込める設備ではありません。
スクラップ処分でもリユースでも、まず設備から切り離し、建物から搬出して運搬できる状態にする撤去工事が必要です。
そのため、処分価格や買取価格だけを比較するのではなく、
撤去方法、事前処理、搬出、運搬、受入条件、撤去後の価値まで含めた総費用で比較することが重要です。
この記事では、設置型の大型発電機を撤去する際に必要となる作業と、スクラップ処分・リユースそれぞれの違いについて解説します。
設置型の大型発電機は処分でも売却でも撤去工事が必要

設置型の大型発電機や非常用発電機は、人力で移動できる設備ではありません。
機種や設置環境によっては、クレーン車、重量工、運搬車両などを手配し、建物設備から切り離したうえで搬出する必要があります。
また、発電機室の中に設置されている場合には、
搬出口の寸法
発電機本体の重量・寸法
クレーンを設置できる場所
床の耐荷重
搬出経路
分解が必要な範囲
運搬車両の積載条件
なども確認します。
つまり、
スクラップとして処分する場合でも、リユースする場合でも、設置された大型発電機を現場から撤去するための工事そのものは必要です。
重要なのは、その後の処理方法によって、必要となる作業と最終的な費用が変わることです。
スクラップ処分では撤去前の受入条件確認が重要

大型発電機には、燃料、エンジンオイル、冷却水などが使用されています。
スクラップまたは産廃として処分する場合、これらを搭載した状態で受け入れてもらえるとは限りません。
受入先によって条件が異なるため、
燃料は抜き取る必要があるのか
エンジンオイルはどうするのか
冷却水は事前に処理する必要があるのか
といったことを、撤去工事を始める前に受入先へ確認しておくことが重要です。
抜き取りが必要であれば、そのための作業員、容器、処理方法なども事前に準備しなければなりません。
処分先を決めないまま先に撤去してしまうと、後から追加作業が必要になる可能性もあります。
大型発電機の処分では、スクラップ価格だけではなく、こうした処分するために必要となる前工程まで考える必要があります。
パッケージ型発電機をリユースする場合は油脂類の事前抜き取り作業を圧縮できる

ここはスクラップ処分とリユースで違いが生じる部分です。
中古発電機としてリユースする場合は、発電機を素材として分解・再資源化するのではなく、機械として再利用することを目的に引き取ります。
当社では引き取り後、再利用に向けた点検・整備を行います。
そのため、パッケージ内部に燃料タンク、エンジン、冷却系統などを搭載した発電機については、リユースを目的として発電機本体をそのまま引き取る場合、所有者様側で撤去前に燃料・エンジンオイル・冷却水を抜き取る作業は必要ありません。
これにより、
抜き取り作業
抜き取った油脂類の保管
処理業者等の手配
そのために必要となる作業工程
を圧縮できます。
ただし、このメリットはパッケージ内部に油脂類を使用する機器・タンク等が搭載され、それらを含めて発電機としてリユースする場合のものです。
別置き燃料タンクや建物側の冷却設備、配管など、発電機本体とは別の設備についてまで、すべて同じ扱いになるわけではありません。
現場ごとに発電機本体と建物設備との作業範囲を切り分ける必要があります。
撤去費用は「買取価格」だけで比較しない

大型発電機を処分する場合にも、リユースする場合にも撤去工事は必要です。
そのため、
「いくらで買い取ってもらえるか」だけで比較するのではなく、発電機を現場からなくすまでに最終的にいくら必要なのか
という視点で考えることが重要です。
スクラップ処分であれば、撤去・搬出・運搬に加えて、受入条件によっては油脂類の抜き取りなどの事前作業や適正な処理が必要になります。
そして撤去した発電機には、スクラップとしての資源価値があります。
一方、リユース可能な発電機であれば、機械としてのリユース価値を撤去・搬出・運搬などに必要となる費用と相殺できる場合があります。
一般的には、素材として評価するスクラップ価値よりも、機械として再使用できる発電機の方が高い価値を持つケースがあります。
その場合、
撤去工事そのものが不要になるのではなく、リユース価値を撤去費用等と相殺することで、所有者様が最終的に負担する総費用を抑えられる
という考え方になります。
リユースにはメリットだけでなく注意点もあります

ここまで読むと、スクラップ処分よりリユースを選択した方がよいように見えるかもしれません。
しかし、すべての発電機がリユースに適しているわけではありません。
リユース価値は、
メーカー
型式
年式
出力
仕様
使用状況
機器の状態
再利用する市場での需要
などによって変わります。
また、設置型発電機は施設ごとに仕様が異なります。
例えば、発電機本体とは別に冷却水槽やクーリングタワーが設置されている設備もあります。
どこまでがリユース対象なのかを正しく確認しなければ、撤去後に必要な機器が残ってしまったり、反対に再利用に必要な機器を処分してしまったりする可能性があります。
さらに、古い大型発電機では、保温材やガスケット・パッキン類などについてアスベスト含有の確認が必要になるケースもあります。
「リユースだから問題ない」「スクラップだから処分できる」と単純に判断するのではなく、設備と作業内容に応じて必要な確認を行うことが重要です。
リユースかスクラップかは総合的に判断する

当社では、すべての大型発電機についてリユースをおすすめしているわけではありません。
大切なのは、
その発電機を撤去する目的と現場条件を整理したうえで、どの方法が合理的なのかを判断すること
だと考えています。
リユース価値が十分に見込めるのであれば、機械として再利用することで、撤去に伴う総費用を圧縮できる可能性があります。
一方、リユース需要が見込めない発電機であれば、スクラップ処分の方が合理的な場合もあります。
最初から「売却」「スクラップ」と方法を決めてしまうのではなく、
撤去工事には何が必要か
処分する場合にはどのような事前処理が必要か
リユースできる可能性はあるか
それぞれの場合の総費用はいくらになるか
を比較してから最終的な方法を決めることをおすすめします。
大型発電機では構造を理解した現地調査が重要

設置型の大型発電機は、施設の用途や設置環境に合わせて仕様設計されています。
発電機室内に設置された設備では、ラジエーターを発電機本体に搭載せず、別置きの冷却水槽やクーリングタワーを使用していることもあります。
こうした設備では、発電機の買取相場だけを知っていても、適切な撤去計画を立てることはできません。
現地調査では、
発電機本体の構成
付帯設備
撤去対象範囲
建物側に残す設備
搬出経路
重量物の搬出方法
クレーン等の設置場所
運搬時の荷姿
などを確認します。
大型になるほど、
「何を外すか」だけでなく、「何を残して、最終的にどの状態で運び出すのか」
まで考える必要があります。
担当者様が社内説明できる資料を作る

現地調査で打ち合わせを行う担当者様は、その内容を社内や工事関係者へ共有する立場でもあります。
そのため当社では、必要に応じて現地調査で確認した内容を写真などを使って資料化します。
口頭だけで、
「ここまで撤去してください」
「この部分は残してください」
「この状態で引き取ります」
と打ち合わせをしても、実際に作業する人が別であれば、認識の違いが生じる可能性があります。
撤去範囲、作業所掌、搬出条件、事前準備などを資料として共有することで、担当者様が何度も確認する負担を減らし、工事関係者間の情報齟齬を防ぎます。
手順・工程・作業所掌を事前に明確にする

大型発電機の撤去では、
依頼者様が行う作業
当社が行う作業
撤去工事会社が行う作業
運搬会社が行う作業
など、複数の会社が関係することがあります。
だからこそ、
誰が
何を
いつまでに
どの状態まで
行うのかを明確にしておく必要があります。
特に遠方の現場では、当日になって認識違いが判明しても、簡単にリカバリーできるとは限りません。
当日に現場で判断することをできるだけ少なくする。
そのための事前準備も、大型発電機の撤去では重要になります。
大型発電機の相談から撤去・引き取りまでの流れ

実際の進め方は、発電機の種類や設置環境、依頼者様側で撤去工事を行うのか、当社へ撤去まで依頼されるのかによって異なります。
一般的には、まず発電機のメーカー、型式、年式、出力、設置場所、写真などから、リユース可能性とおおよその条件を確認します。
撤去についてもご相談いただく場合には、設置環境や搬出条件などを確認し、必要に応じて現地調査を行います。
現地では、発電機本体だけではなく、搬出経路、クレーン設置場所、作業可能時間、作業所掌、事前準備などについて打ち合わせをします。
その内容を整理したうえで、正式な条件や撤去方法をご提示します。
双方で条件を確認した後、必要な契約・工程調整を行い、撤去・搬出・運搬へ進みます。
重要なのは、
買取価格を決めてから撤去方法を考えるのではなく、最終的な引き取りまで成立する条件を確認したうえで進めることです。
遠方の大型発電機でも事前準備によって引き取りまでつなげた事例

実際に当社では、秋田県の公共工事で撤去される大型非常用発電機についてご相談をいただいた事例があります。
現場は秋田県、当社は岐阜県です。
設置された状態のままでは建屋から搬出できない大型設備だったため、現地調査を行い、
解体する部分
残す部分
切断位置
吊り上げ方法
分解後の荷姿
運搬可能な幅・高さ
使用するトレーラー
作業所掌
搬出・積込場所
などを事前に整理しました。
現地調査後には写真入りの資料を作成し、依頼者様と認識を共有。
撤去工事そのものは依頼者様側で実施していただき、当社は指定日時に運搬車両を手配して大型発電機を引き取りました。
遠方だからこそ、
「当日になってみなければ分からない」をできるだけなくしておく。
大型発電機の撤去・リユースでは、こうした事前準備も重要だと考えています。
ここから、今回作成した秋田県の大型発電機撤去・搬出・引き取り事例へ内部リンクを設置すると非常に自然です。
スクラップかリユースか決める前の段階でもご相談ください

不要となった大型発電機の最終出口は、一つではありません。
スクラップとして再資源化する方法もあれば、機械として再利用するリユースという方法もあります。
そして設置型の大型発電機では、そのどちらを選択しても、撤去・搬出・運搬という工程を避けて考えることはできません。
だからこそ、
「いくらで売れるか」だけではなく、「この発電機を現場からなくすまでに、どの方法が最も合理的なのか」
という視点で比較することが大切です。
当社では、発電機の種類、設置環境、撤去方法、運搬条件、リユース価値などを確認しながら、どのような方法が考えられるのかを整理します。
処分するか、リユースするか。
まだ決めていない段階でも構いません。
大型発電機の撤去や処分方法でお困りの場合は、まず現在の状況をご相談ください。
関連記事
アスベストが含まれた発電機は買取できる?法令対応とリユースの考え方

